【100】
【朗読感謝】
池田有 様  

【挿絵感謝】
ヨウ 様
オリジナルサイズの挿絵は【こちら】


むかしむかし あるところに
小さな話がありました

一人でさびしく
一人でかなしく

仲間をとてもほしがって


見てください 僕なんです


そう 主張していたのです

ぽつりぽつりと降る雨と
同時に話が膨らんで


ボクもさびしい 私もなのよ
実はオレもそうなんだ


仲間が出来て
一体になり
話は楽しくなりました

さびしく一人の話は多く
今もなお 膨らんでいる

百話に近くなるにつれ
あまり巨大になってしまって

今は 人に 怖がられ

夏の夜に語られて
その度妖怪呼び出して
人を震わせ楽しませ
さびしい妖怪採り入れて
その大きな体はまた育ち
呼び求めずとも話は集い

もう 元になった話の姿が
私には 見えないが

仲間にいっぱい囲まれて
とても幸せなのでしょう


さぁ
私の仕事は終わりです
次の泣いてるさびしい一話を
探しもとめてみましょうか


---【百物語】
早帆


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